繊細すぎる子供をHSCと言いますが、不登校になる場合が多いんです。
HSCの子供は感受性が強く、敏感なので集団生活でストレスが溜まりやすく学校がつらくなってしまいます。
先生の怒鳴り声に自分が怒られているかのように心が傷ついたり、友達の表情や声色に敏感になってしまったり、学校は精神的に負担がかかりやすい場所です。
だからといって、不登校なのは仕方ないと割り切れませんよね。親としては、学校で友達を作って少ない子供時代を楽しんでほしいでしょう。
不登校を克服するためにはまずHSCについて知り、学校と協力していく必要があります。
HSCの子供はどういう特徴があるのか、またどういう理由で学校がつらくなるのか、考えられるものを紹介します。
子供と話す時の参考にしてみてくださいね。
HSCとは
HSCとはHighly Sensitive Childの略で、感受性が強く、敏感な気質の子供のことを言います。
人混みや騒音が苦手、人の顔色を伺いすぎてしまう子供はHSCかもしれません。
HSCは集団生活に馴染みにくく、不登校になってしまうことも多々あります。
うちの子はHSCかも。
そう思う方はぜひ、HSCについて知りましょう♪
HSCは発達障害などと一緒に考えられることがありますが、決して病気ではありません。
どんな特徴があるのか、簡単に解説します。
HSCの特徴「DOSE」
HSCには「DOSE」という4つの特性があります。
D:Depth of Processing
とても慎重で、簡単にできるようなことも深く考えすぎてしまう。
例) ・1聞いて10想像し、考えてしまう ・調べ物をすると深く掘り下げ、マニアックなことも覚えている ・お世辞や嘲笑をすぐに見抜く、すぐ人を信用しない ・物事を始めるまでに考えすぎて時間がかかってしまう
O:Overstimulation
音や光、感情などの刺激に対して反応が強く現れ疲れやすい。
例) ・人混みや工事などの大きな音などが苦手 ・友達と出かけたり話したりすることは楽しいが、家に着くとどっと疲れる ・映画や音楽に感動して、よく涙を流す ・人の言葉に敏感で、嫌な言葉を忘れられず引きずる ・テスト中、時計の音や鉛筆の音で集中力が途切れる
E:Emotional response and empathy
共感力が高く、相手の感情の影響を受けやすい。
例) ・人が怒られていると、自分のことのように感じ落ち込む ・悲しい漫画や映画の登場人物に感情移入し泣くことが多い ・人のちょっとした視線や声色で機嫌などがわかる ・言葉を話せない幼児や動物の感情もなんとなくわかる気がする
S:Sensitivity to Subtleties
些細な変化や刺激にすぐに気がつく。
例) ・時計の音などが気になって眠れなくなることがある ・強い光や日光などの眩しい光が苦手 ・近くにいる人のタバコの匂いで気分が悪くなる ・散らかっているとイライラする
これらの特徴4つに当てはまると感じたらHSCかもしれません。
HSCは子供のことを言いますが、大人を含めHSP(Highly Sensitive Person)と呼ばれます。
HSPについて詳しく解説しているので、気になる方はこちらの記事を読んでみてください。
HSCが不登校になりやすい理由
HSCの子供にとって、たくさんの生徒が集まる学校はストレスを感じやすいです。
同級生が叱られているのに、まるで自分のことのように傷ついて気分が落ち込んでしまう、などの精神的に落ち込みやすい特徴があります。
また、相手の顔色を伺いすぎて気疲れしてしまうこともあるでしょう。
いじめられているわけでもなく、友達がいても「学校に行きたくない」と思ってしまうことがあるんです。
HSCの子供が不登校になってしまう原因
- 苦手なことを断りきれずストレスが溜まる
- 学校の環境が合わず集中できない
- 人の意見や感情が気になって会話が疲れる
- クラス替えなどの環境の変化に慣れない
- 性格が合わない同級生や先生がいる
苦手なことを断りきれずストレスが溜まる
HSCの人は内向的な人が多いです。人前に立つことが嫌、大人数の前で話すことが苦手、そんな人も多いでしょう。
しかし、学校では苦手だからと言って、必ず意見を聞いてもらえません。
グループのリーダーなど、嫌でも任されてしまうことがあります。
私自身、HSPの特徴がありますが、リーダーなどの仕事は大嫌いでした。
そして、ストレスからトイレが近くなってしまったことがありました。
学校の指導は外交的なこと(積極的に発言する、誰とでも仲良くできるなど)をいいこととされるので、HSCの子供にとって精神的に負担になってしまいます。
学校の環境が合わず集中できない
学校の環境が合わず、勉強に集中できていないかもしれません。
例えば、授業中に騒ぐ子がいる、外からの光が眩しすぎるなど刺激によって集中力が妨げられやすいこともHSCの特徴です。
環境のせいで勉強に集中できず、授業が苦痛になってしまっていることもあります。
また、勉強に集中できないと授業の内容が理解できず、ついていけなくなってしまいます。
どうして自分にはわからないんだろう。
どんどん自己肯定感が下がり、自信をなくしてしまいつらくなってしまうでしょう。
人の意見や感情が気になって会話が疲れる
HSCの人は人の感情に敏感です。
今ちょっと嫌そうな顔をした。
声色や表情で相手の感情がわかりすぎてしまい、相手を気遣い疲れてしまいます。
また、喧嘩やいざこざが起こると、人一倍居心地の悪さを感じ、つらくなってしまいます。
クラス替えなどの環境の変化に慣れない
大人数の学校では毎年クラス替えがあるでしょう。
毎年クラスが変わることも、環境に変化に慣れるのが大変なHSCの子供にとってストレスです。
慣れてきた空間がまた居心地の悪いものになり、新学期は特にストレスを感じやすいでしょう。
性格が合わない同級生や先生がいる
学校では、たくさんの人がいるので性格の合わない子もいるでしょう。
そういう人と同じ空間にいるだけで負担になってしまいます。
特に悪口を言われると引きずられやすく、相手の発言や態度をずっと気になってしまいます。
その居心地が悪い空間に長くいることでストレスが蓄積されていきます。
HSCの子供が学校を嫌になってしまうきっかけ
- 先生や友達にからかわれた
- 仲間はずれにされた、仲間はずれにされたように感じた
- 無視されたり、冷たい態度を取られた
- 授業で当てられて間違えた
- 先生の怒鳴り声が怖い
このような経験をすることで、学校への苦手意識が生じ、学校に行きたくないと思ってしまうこともあります。
HSCの子供が不登校を克服する方法
HSCの子供が不登校になってしまった時、親がするべき行動を紹介します。
間違った対応をすると余計傷つけてしまい、子供からの信頼を失ってしまいます。
正しい対処法をしり、親子で素敵な未来になるよう前に進んでみましょう♪
- 周りの子供と比較しない、怒らない
- HSCの特徴を理解する
- どういうことがつらいのか理解する
- 学校と情報共有して連携する
- 子供のいいところを伸ばす
周りの子供と比較しない、怒らない
HSCの子供に一番やっていけないのは怒鳴ることです。強い感情を当てられると、他の子より衝撃が強く、傷ついてしまいます。
学校に行けないことを怒ることはやめましょう。
そもそも、HSCの子供は親の感情にも敏感で、あなたが悩んだり悲しんでいることに気がついています。学校に行けないことに対し罪悪感を感じている場合が多いんです。
また、人と比べることもよくありません。HSC関係なく比べられると、否定されているようで傷ついてしまいます。
特にHSCの子供は自分が人と違うことを理解しています。周りを見る力があるので、自分は人と違って集団でうまく行かないことが多い、とわかっています。
その上で親に言われてしまうとよりつらくなってしまうでしょう。
まずは、学校に行きたくない、つらい、という気持ちを受け止めてあげることが大切です。
HSCの特徴を理解する
HSCについてあなたと子供がお互いに理解する必要があります。
HSCの特徴を知らないと「どうしてこんなことが気になるの」「そんなことも我慢できないの」と責めてしまいたくなります。
そのような発言をしてしまうと子供は自己肯定感が下がるだけでなく、あなたへの信頼がなくなってしまいます。
何かあった時に相談してもらえないだけでなく反抗的になってしまうこともあります。
また、子供自身も自分のことを深く知ることが大切です。
どうして自分は友達と違うのだろうか。
そのように、学校生活を送る上で人と違うことに悩んでいるかもしれません。
〇〇ちゃんはできるのに、どうしてあなたはできないの?
そう言われると余計気にして、自信を失ってしまいます。
また、これは障害や病気ではないこと、そういう人が他にもいるということを知ることができると「自分だけではないんだ」と安心するかもしれません。
不安な気持ちを取り払って、自分はおかしくない、と知ってもらうことも重要です。
HSCについて知るには「ひといちばい敏感な子」という本がおすすめです。HSCやHSPという概念を提唱し始めたエレイン・N・アーロンさんの本です。
エピソードも豊富で、HSCの特性についてより理解を深めることができるでしょう。
HSCの子供への正しい対応の仕方など学べるのでぜひ参考にしてみてください♪
どういうことがつらいのか理解する
同じHSCの子供でも、悩んでいることは違います。どういうことがつらいのか、今何に悩んでいるのかちゃんと聞いてあげましょう。
どうして学校に行きたくないのか、必ず理由があるはずです。
理由がわからないと、対応も難しいですし、良かれと思ってやったことが裏目に出てしまうこともあります。
しかし、うまく言葉にできない子や親に心配かけないように我慢してしまう子もいます。
無理に問いたださず、ゆっくり言葉を待ってあげるのも良いでしょう♪
学校生活のどういうことがつらいのか話してくれたら、一緒にどうやったら楽になるか工夫できることはないか、考えてあげると良いですね。
子供のいいところを伸ばす
HSCの特徴はネガティブに捉えられがちですが、良い部分でもあります。
・深く考えすぎて行動できない→慎重だから失敗しにくい ・敏感で小さな変化にとらわれる→細かいところまで気がきく
考え方次第ではとても素晴らしい個性になります。否定しないで、こんな考えや感じ方があるのか、と受け入れてみてください。
自分でHSCの特性について理解し、受け入れられると学校や日常生活のことも前向きに考えられるようになるでしょう。
学校と情報共有して連携する
不登校から学校へ戻るためには学校との連携が必要不可欠です。
特に先生の理解は必要になります。HSCについてまだ良く知らない先生も少なくありません。
HSCは病気ではなく気性であること、工夫次第では日常生活は問題なく遅れることを理解してもらいましょう。
人前で話すことは精神的に負担になる。 冗談も本当に傷ついてしまうことがあるので揶揄わないでほしい。
など、先生に「ここが苦手」「こういうことが嫌」ということをちゃんと伝えると考慮してもらえるかもしれません。
まとめ
- HSCとは感受性が強く、敏感な気質の子を表す言葉で発達障害などの病気ではない
- 人の感情に左右されたり、ささいなことが気になったりするのでストレスが溜まりやすい
- 先生が他の人の説教している声が苦手、からかわれると本気にしてしまい心が落ち込む、などの特徴がみられる
- 学校での集団生活には疲れやストレスが溜まりやすく、HSCの子供は不登校になることも多い
- 不登校を克服するためにはHSCについて知り、何が苦手か明らかにして学校と連携しながら復帰を目指す必要がある
HSCの子供は敏感すぎるため、集団生活でストレスを溜めやすく学校にいくことがつらくなってしまうことが多々あります。
しかし、HSCは病気ではないので治すことも変えることもできません。
HSCの特徴もとらえ方を変えると魅力にもなるので、無理に学校にいくことを勧めず、苦手なことを聞いてみましょう。
何が嫌で、どういう工夫をすると学校に行けるようになるのか考えることで不登校を克服するきっかけになるでしょう。
もし、子供がHSCの特徴があり、学校がつらいと悩んでいるならば参考にしてみてくださいね。
HSCについて知るためにはこの本がおすすめです。HSCの子供との接し方やHSCの特徴についてわかりやすく書いてあります。
エピソードも豊富なので、あなたの子供と共通するようなものもあるかもしれません。
正しい子供への対応の仕方やHSCについて理解を深めたいならば、ぜひ読んでみてください♪
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